漬物は塩があれば簡単に作れるが、何故に塩が使われたのでしょう。それは口に入る物、つまり食べ物の中で浸透圧が最も高かったからです。
塩は海水や岩塩などから容易に手に入り、安価で毒性が無く、しかも極めて高い浸透圧を持っています。塩はまた、甘味や酸味などのバランスを取って美味しくもなります。この高い浸透圧が下記のような役割を果たします。

(1) 生野菜に塩をまぶすと、塩の浸透圧によって野菜の細胞が脱水し、野菜の細胞が原型質分離を起こして細胞が死ぬ。つまり野菜がしんなりとする。
(2) 適当な塩味で美味しくする。
(3) 塩分が高いほど浸透圧が高くなり、腐敗菌が高浸透圧により防止され、食品の保存性を増す。